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ペットの話 「姫の暮らし」

会員コラム 文 : オーデリック株式会社 仙台営業所 岡田 彰子 2014年12月

 10年程前、当時静岡県で1人暮らしをしていた姉。ある日部屋を出ると、にーにー、と必死な鳴き声が聞こえてきたらしい。でもすぐそばに聞こえているはずなのに、姿は見えない…。意識を集中させて、音の聞こえる方向へだんだん近づいていくと、それはアパートによくあるボックスタイプの郵便受け。まさかと思いつつも、ひとつひとつ郵便受けを覗いてみると、その中のひとつに生後2ヶ月程の子猫の姿が。姉はその猫を保護し、そのまま自分が飼う事に。それから1年後、姉の転居に伴い、静岡県から実家のある秋田県にやってきた。これが、今現在も実家にいる猫の「姫」を飼い始めた経緯です。 

 

姫と生活

 連れてこられた当初は落ち着かない様子でした。元々神経質な性格だったらしいですが、少し近づくだけで威嚇され、どうにもならない状態。しかし、年を経るにつれて神経質さは薄れていき、今はかなり落ち着いた性格になっています。というよりも何事にもあまり反応しなくなったというべきかもしれません。確かに威嚇はしなくなったものの、名前を呼んでも、自分の気分が向かなければうっとうしそうにちょっとしっぽをふるだけ。寄ってくるどころか振り向きさえしません。

 

 

 猫にしてもちょっとそっけないくらいです。でも構って欲しいときはこちらが忙しそうにしていてもお構いなし。ちょっと椅子に腰掛けたらピョンッと飛び乗ってくる。忙しいから、と膝から下ろそうとすると、大きな目でうったえるように見つめ、にゃーとひと鳴き。これに家族は誰も敵いません。みんな作業をあきらめて、少しだけと思いながら結局「お姫様」の気がすむまで撫でてあげてしまうのです…。姫を中心に家族は生活しているといっても過言ではありません。

     

      

姫と四季

 猫は人間以上に温度差に敏感だそうです。姫の場合も、気候によって寝姿や寝る場所がわかりやすく変化するので「ああ、そんな季節か」と季節の変わり目を感じることができます。暖かくなってくると、ダイニングの角に置いた椅子の上でほとんど丸まらずに体を伸ばして寝るようになります。それが我が家にとっての春到来の合図に。衣替えをしたり、窓の雪囲いを外したりという作業をします。さらに暑くなると椅子の上の他に、廊下や畳の上で寝るように。これが夏の合図となって、南向きの窓にすだれをかけたり、扇風機を出したりします。反対に寒くなってくると、できる限りからだを丸めて寝る日が増えてきます。それを見て母が姫用の毛布を敷いた箱を出してきて、ダイニングチェアの下に置きます。そちらで寝るようになれば、それが我が家の床暖房をつけるタイミングとなり、秋になって、もうまもなく冬が来るという合図。そんなわけで、姫は季節を知らせると共にそれに合わせた生活様式に模様替えするきっかけになっています。

                     

姫と寝床

 上記のとおり、普段はダイニングに寝ている姫ですが、私が実家へ帰省すると、私のベッドの足元で寝ることがあります。これは実家に住んでいたときも同じで、姫の気が向いたときには一緒に寝ていました。私がベッドに入るまでの間はタンスの上が定位置。エアコンの風が直にあたるところに置かれていたからだと思います。私はテスト期間中に煮詰まるとよく模様替えをしていましたが、その位置だけは絶対に変えませんでした。
姫がそばにいると時間がゆっくり流れていくような気がします。ゆったりとした動作や柔らかくてしなやかな身のこなしがそう感じさせるのかもしれません。でも実際は実家に来てもう10年経ちました。もうすぐ11歳。猫としては高齢になってきました。とにかく少しでも長生きをして欲しいと願っています。

                               

執筆者紹介

オーデリック株式会社 仙台営業所
岡田 彰子

 

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