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仕事と私

会員コラム 文 : 関口 和美 2009年8月

インテリアがいつからこんなに好きになったのだろう。

今年の夏休み、仙台市教育委員会主催の「楽学プロジェクト」で中学生にインテリアコーディネーター(IC)の仕事を体験してもらう講座を担当しました。中学1年から3年まで、男子生徒も思った以上に参加していました。

キラキラと輝く瞳、好奇心いっぱいの表情。
二日間にわたり40名以上のコーディネーターのタマゴがマイルームインテリアをプランニングしました。どの顔も"インテリアが好き!"と言っていたようでした。私にもこん学生時代があったのでしょうか。

住まいは一生付き合っていくことができるお仕事で、しかも自己満足だけではなく人のために力を発揮できるお仕事だから。今もその気持ちは変わっていません。

一期一会

私は人との出会いから学ぶことができるICのお仕事を大切に誇りにしています。一生で一度だけ出会えるつもりで、悔いのないよう接したい。生涯出会うことのない人もあれば、長い一生のお付き合いになるお客さまもある。出会えるひと時が大切に思えると、どんなひとでも愛おしい・・・・苦手なタイプのお客さまもそう思えるようになりました。(大人になりました)

子どもとの成長がもう一つの運命の糸

夫の転勤で仙台に転居し18年。誰も知人のいなかったこの地で子育てを通じて知り合った仲間がもう一つの絆でした。ひとりの人間として、母として子どもがいるという共通項での友人とも18年目。その子育て活動は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校と二人のわが子の成長と共に現在に至ります。今でも育児講座や子育て事業の依頼をいただくことに感謝しています。

昨年は仙台市からの助成を受けて、おやつのレシピ本を発行することもできました。教育委員会やPTAにかかわった先生や友人にも恵まれ、知らない土地であった仙台で、子どもを育てることができた経験が今、インテリアの仕事を理解し、続けていける後押しにもなっています。

MICが設立して20周年

今年度はMICの全会員がより一層エネルギッシュに活動しています。
会員同士の親睦をはかり、顔の見える、より親しみのある存在であってほしい、という想いはきっと今も設立当初と変わっていないでしょう。
MIC会員になっての15年間、歩んできた道のりを思うと今も胸が熱くなります。でも実は、山あり谷ありでした。
仙台での、フリーとしての活動は、すべてがゼロからのスタートでした。そんな私がMICとの出会いで、ICに求められるプロ意識、周りのスタッフとの協力と努力で実現する仕事なのだと多くを学びました。たとえばこれまで経験したことのないイベントの企画、手配、協力依頼、取材なども自分たちの手で試行錯誤しながらの日々でした。ひとりの力では出来ないことも、多くの力を結集すれば可能になること、諦めて後悔するよりも、迷ったらまずやってみることもMICの活動から学びました。
活動のそのほとんどがボランティアにもかかわらず取り組んでくださる会員、賛助会員には本当に頭が下がります。(感謝)
個人の仕事とは違う連帯感、達成感、向上心が20年を経て、現在のMIC にはあります。 ICとして歩んできた私が、ICの社会的存在価値を高め、より多くの方々にMICの魅力を伝えていくことが今の私の使命だと感じます。
これからも前を向いて進んでいくMIC を応援してください。

V・S・O・P

これまでICとして仕事を続けてきた私のポリシーは、これからも体力と気力が続く限りインテリアの魅力を伝えていける自分らしいICでありたいと思っています。仕事を始めた20代から年代を映しながら、かみしめてきた言葉(V・S・O・P)があります。
いつも自分を励ましながら。


V ・・・ 20代は Vitalityバイタリティで。 本当に仕事に没頭できる年代。
休日返上や深夜、徹夜でも現場にいることもありました。
おそろしき20代体力。

S ・・・ 30代は Specialtyスペシャリティに。専門知識だけでなく、商品知識、建築や関連する法規、表現能力やコーディネ―ション術、勉強不足を痛感し、仕事をしながらライセンス取得や勉強会に通う。

O ・・・ 40代は Originalityオリジナリティを。スタイルのマネや無難なインテリアでなく、自分らしいコーディネートスタイルを確立し、お客さまの要望を引き出し、応えていける力量を身につけたい。

P ・・・ 50代は Personalityパーソナリティで。 そして、50代からは人格や人生がコーディネートにも表れる。成熟したICを目指して生涯進行形でいきたいものです。

執筆者紹介

インテリアコーディネーター 宮城インテリアコーディネーター倶楽部会長
関口 和美
設計事務所、メーカーのICとして活動後、独立してフリーに。住宅、マンション、モデルルーム、リフォーム等を手掛ける。コンサルティング活動や次世代育成の教育活動にも努めている。現在宮城インテリアコーディネーター倶楽部の会長を務める。
※インテリアコーディネーター
※二級建築士 ※キッチンスペシャリスト

 

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