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見えるものと見えないもの

会員コラム 文 : 寺島 きぬ子 2011年3月

今年もまた巣立ちの3月を迎えました。講師という職業に就いて、丸20年が過ぎましたが、毎年、学生達の集大成をメディアテークに展示することは、本当にうれしいことです。
この時期になるといつも思うことは、これからの厳しい時代を何とか、元気に生き抜いて欲しいと、願うことです。
今回は、日頃感じていることや、行っていることを思いつくまま記してみました。

<@現在の色彩心理学とは、どのようなことか>

色彩が、心に影響することは昔から言われながらも、その経緯は、複雑で実証することが、難しいのが、現実です。人は実験やデータという科学的結果は、信頼するけれど、心理となると、いつも同じ結果がでるとは、言い切れず、軽くみられることも、しばしばです。心理効果やカラーコーディネートと常に向き合っている私は、この差を何とか少しでも埋めたくて、さまざまなことに取り組んでおります。しかし色彩心理を学問として、成立させるためには、まだまだ地道な研究が、必要といえます。学生も資料を作成したり、アンケートをとったりと、自分たちなりに納得させる努力を惜しみません。


<A表面色の実験  食事編>

色で果たして、食欲はおさえられるだろうか。
人気のあるメニューを、紫や青のテーブルクロスとお皿に、盛り付けた実験です。
確かに白に比べ、まずそうには見えます。しかし、おいしそうかまずそうかに、左右されない食欲も浮かび上がります。単なる食欲減退を狙ったダイエットはむずかしいのですが、日常生活の知恵としては、大いに役立ちます。飲食店や食料品店の紫や青は禁物という知識もつきました。


<B表面色の実験  パーソナルカラーとコーディネート>

若い学生は、しわ、しみ、くすみが少なくどのような色も似合います。顔の反射が強く様々な色に負けないパワーを感じます。この授業では、自信のない人を勇気づけ、すべての学生を、今より輝く人にする目的で行っています。また逆に、似合わない色を確認し合ったり、さまざまな色布を利用して、コーディネートの練習も楽しんでいます。

<C色の演出効果を体感する学習   ファッションショー>

テーマを決め全身で表現します。言葉は全く使わず、個性をいかにカラー演出できるか。人に何を訴えるのか。グループごとに“美”について、深く掘り下げます。互いに競わせることや、協力し合うことも学びとしています。私もモデルになったりします。え!


<D色の演出効果を体感する学習   ワンコインブライダル>

たった500円玉1枚で、本当の挙式、披露宴を行います。1年に2回実施しており、非常に好評をいただいております。メイク、ネイル、着付け、照明、写真、フラワーアレンジ、司会に至るまで、全員で取り組む授業です。すべてが、裏方にまわり、挙式当日のお二人を輝かせるための積み重ねの授業です。この成果は、大きく、すべての自信につながっていくようです。全員涙、涙のエンディングです。

上記の授業を通して、感じることは、色とは、表面色(見た目)だけを捉えているようでも、実は非常に心(生理的なもの)と関係していること。また反対に、個性(心)を演出するためには、表面色(見た目)が力を発揮するということです。これは、切っても切れない関係にあります。どうでしょう。これこそ色彩心理学だと考えておりますが。

 先月東京で、流行色を決めるインターカラーの勉強をして参りました。
色の定義は三つあります。流行色なのに変わらないものだそうです。

T 心地良さを提供すること
U 大事なものなのに、なくなっていくものに、光を当てること
V 平和・幸福・自由を基本とすること

なるほどいつの時代も変わらないものが、“愛”だなとつくづく感じました。
この永遠の“愛”をヒントに今年の卒業文集の寄せ書きに下記の言葉を添えました。

“虹”とは実在しないのに、目には見えて、美しい。
“オーラ”は実在するのに、目には見えない
人生すべてバランスです。
”オーラ“を放ちつつ、見た目にも美しい人間になるよう、努力しましょう。
せっかくカラーを学んだのですから。

執筆者紹介

寺島 きぬ子
戸建住宅及び新築マンションのモデルルームを含むトータルコーディネート。またそれに伴うインテリア商品の販売業務。 専門学校及び高等学校において、色彩検定の講師を務める。日本色彩学会員

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